ケイト・トムソン

「光の彫刻」

2002年6月4日〜9日

晩翠画廊


「光の彫刻」

季節ごとの太陽、月、星の巡りが、自然環境の中でこの上なくドラマティックで美しい役割を担う北日本の田園に暮らしながら、私は絶えず、故郷のスコットランドの光の色との違いに驚かされてきた。
今回の個展の作品では、文明の夜明けから人間を魅了してきた週や月、そして年ごとのサイクルを「一番長い夜」、「春分」、「一番長い昼」、「秋分」、「ムーン・ダンス」、「ブック・オブ・ライト」、そして「真夜中の太陽」の、七本の光の柱で表現している。

昼間の光の中では、これらの彫刻は自然光を捕え、あたかも一日の光の変化に反応するセンサーのような働きをするだろう。屋内の照明のもとでは、各々の彫刻は、「カラー・キネティックス」(発光ダイオードを使用した光の色を変化させる装置)という照明を用いて内側からも人工光で照らされるが、この最新のテクノロジーが、微妙な色合いの変化をスペクトルの全領域にわたって操作することを可能にしてくれた。

光の彫刻をテーマの上で補っているのは、「七日間」と題した壁面に据えつけた大理石のレリーフである。このシリーズは、七つの惑星と週の七日に関係するモチーフの抽象的表現だが、ヨーロッパの文化の礎となったギリシア、ローマ、北欧、アングロサクソンの神話やシンボリズムを用いながら、日本とアイヌの文化も重ね合わせ、自然や時間、宇宙というものに対する古来の人類共通の意識と解釈を探る試みでもある。

2002年5月、 ケイト・トムソン

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