柏の葉キャンパスアート計画
2007年
タイトル | 「Spring」 |
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デザイン及び制作 | ケイト・トムソン |
素材 | カラーラ大理石 |
本体寸法 | 40x25x60cmH |
所在地 | 柏の葉キャンパス、千葉 |
タイトル | 「Primavera」 |
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デザイン及び制作 | ケイト・トムソン |
素材 | カラーラ大理石 |
本体寸法 | 25x40x50cmH |
所在地 | 柏の葉キャンパス、千葉 |
タイトル | 「Printemps」 |
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デザイン及び制作 | ケイト・トムソン |
素材 | ヴァルカン・ホワイト大理石 |
本体寸法 | 250x40x40cmH |
所在地 | 柏の葉キャンパス、千葉 |
「プリマ・ベーラ」、「スプリング」、「プランタン」について
ケイト・トムソン
この一連の作品は「光」がテーマです。光のもつ多様性を考えるとき、躍動感溢れる生命の放つ一瞬の輝き、「光」がもっとも印象的なものです。若い芽の透き通るような内面的な輝き、植物に降り注ぐ朝の光を浴びた露はまるで光の粒のようです。植物は光合成で、まさに光のエネルギーが命をはぐくんでいる、そういった光の様々な表情を彫刻として表現してみました。
「スプリング」は英語で「春」という言葉ですが、「泉?大地から水がわき上がる場所」の意味もあります。泉の水は春の地表から、泡立ちながら深い森の中に静かに流れ、または山の高みから海へと長い旅路を辿り、生きとし生けるものの深遠なるミステリーを秘めながら、その旅の良き伴侶である光とともに生命のサイクルを生み出します。「スプリング」は太陽の光を求めて伸びていく植物や湧き上がる命の泉のような、水と光の微妙なバランスを保つパートナーシップを明快なフォルムで表現したものです。
「プリマ・ベーラ」とはイタリア語でやはり「春」の意味ですが、直訳すると「最初の真実」という言葉です。二つの羽の内側は微妙な光をデリケートに反響します。一組のカップルがともに支え合いながら新たな空間を創造しながら育てる様を表現しています。この作品は心のよりどころである自分の家へ帰る気持ちに同調するように、建物に入る際に見える位置に配置されます
「プランタン」もフランス語での「春」です。「初めての時」という意味を持っています。スパイラル状の同じカーブの曲面がそれぞれ三つの違ったのフォルムを組み合わせる構成となっています。スパイラルとは生命の基本的なかたちです。と同時に光を内包したり透過させたりして際立たさせるかたちでもあります。それぞれのユニットが様々なリズム感で生命の謳歌を表現したものです。
またこれらの彫刻は素材として大理石を使用しています。かたちと表現に応じてそれぞれ違った種類のものが使われています。「スプリング」にはきめの細かい表面と堅牢さで知られる石であるビアンコカラーラ大理石(イタリア)。「プリマ・ベーラ」もカラーラビアンコ大理石ですが、もっと有機的な模様と暖かみのある別の山からとれた石を使っています。「プランタン」はバルカン・ホワイト大理石(マセドニア)という透明感のある大理石、光をよく透過する石を使っています。大理石の帯状の色模様は何千年にもわたって積層され眠っていたこの石を、今改めて作品の素材として、光と生命のダンスを、透明感を持った表現の中によみがえらせました