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ケイト・トムソン+ 片桐宏典「彫刻二人展」spaceTRY

2004年

英国出身のケイト・トムソンと東北出身の片桐宏典の新作彫刻二人展。ユニークな類似性をもつ二つの文化的風土を背景に、石を素材にした抽象的彫刻作品で作家の個性が互いに近似離反しながらも独自の表現を展開している。ケイト・トムソンが柔らかな基本形態を非対称的構成に組み立てるのに対し、一方、片桐宏典は素材感と精神性を単純な抽象的形態に要約していく。

「空間を知覚する唯一の方法はその限界を知る事。でも、限界が私たちを取り巻く世界を定義しているのか?、自然世界を探求するための言語および哲学としての彫刻に私は興味を持っている。私にとっての彫刻とは空間、形態そして光という内界と外界の境界線に触れる事のできる詩です。」(ケイト・トムソン)

「片桐宏典の黒御影石や玄武岩の作品は周辺部が鋭角的に切り落とされ、全面をとぎすましたように磨き出された作品は、素材内部から発せられるような精神性が感じられ、日本刀の鋭い剣先を思わせる輝きを放っている。重量感よりも質感を際だたせた構造体であり、バランス感覚に富む安定した構築性を持っている。視覚的要素と心理的要素が調和したときに生まれる造形を彼はこれらのシリーズの中で展開しているのである。」
(平澤広、萬鉄五郎記念美術館学芸員)

会場 spaceTRY
会期 2004年5月14日~29日